私のオアシス歌舞伎鑑賞

さくら着物工房

縁あって毎月歌舞伎座の券を頂く。私のお見合いは歌舞伎座だったことが原点だった。今ではお見合いなんて言葉もなくなってしまった。
おせっかいおじさんやおばさんがお茶を飲みながらおいで下さるときはいつも写真披歴が目的だったのかもしれない。
私はまだ若い。短大を出た時、幼稚園の教職に就き帰省した時などそれらの写真を拝見する気もなかった。

ある時私がちょっと着物に袴姿の写真に目をとめたらしい。
たちまち歌舞伎座の入場券が届いたと母が上京してきた。
寄宿先の叔父が付き添い歌舞伎を見たいという。
叔父は教育長をやっていてねんごろに話が弾んでいたようで「男が男に惚れた」という。
叔父の報告に話が現実になり・・・
私たちの縁談はいつの間にかゴールインになっていた。

遠い遠い昔になってしまったが歌舞伎座は建物も新しくなり風情も変わってしまっているが私は母たちがしたように「舞台の上の神様を敬うように」との伝えを守っている。

着物に執着する私の神様に毎月会える贅沢に感謝する。