和代様:
鈴木先生のさくら造りの二重太鼓の帯を締めたいです。「10月7日に、着物サローネで司会をさせて頂きます。
一人で締めると、片側が上がってしまい、上手く行きません。
コツを教えてくださいますか?くお願い致します。」おふさ:
「とても良い質問ですね。お太鼓結びの時は名古屋帯でも袋帯でも昔からのコツです。両手の親指を太鼓の一番下に入れ人さし指をたれに添って伸ばします。左右が平行になるようお太鼓の形を整えます。和代様:
作り帯、ご指示の通りやってみました。
まっすぐにはなりましたが、もう少しぎゅつと帯を締めたいです。おふさ:
パチパチ パチ!! パチパチ パチ!! 次は胴のことですね。ゴムが付いた帯板ではちょっと難しいです。両脇まで長さのある長い帯板を使いましょう。
1,胴の前側に帯板をしっかり脇まで入れ、二枚の胴の下を持ちおへそのあたりをポンポンたたいてなじませながらお太鼓の中へ誘導します。
2,反対の人差し指を胴の先端に入れます。
3,胴の閉まり具合が気持ち良い所でしずかに指を抜き取り胴の紐を前に持って行きます。
4,お太鼓についている紐を持ち前中央でしっかり仮結びをします。
5,帯締めを締めた後再び帯の紐を閉め直し奥にしまいましょう。
6,最後に親指をお太鼓の下に入れお太鼓を平行か確認します。必ず、鏡で確認なさってね。
昨年の秋、亡くなったお母様が残してくれた着物を着ようと思い立ったMさん。
お正月も音楽会も着物で出かける努力の甲斐があってファスナー着物が美しい!
Mさん、5月の末工房に見えました。
「単衣の着物になる前に汗だくだくだくになりました。先日着せていただいた薄い夏用の上半身だけの、半襦袢がほしいです。」鈴木: 「Mさんがこれから初めて迎える夏だからマジックが付いた袖で長襦袢がおすすめだわ。今は着物も襦袢も値段をお安くするためか居敷当てがついていませんね。居敷当てがついていないと困ることになるわ。絽の着物や紗の着物を着ると後ろから足の形が丸見えなの.居敷当ては襦袢の後ろに白い布を付けておくことです。」
鈴木:『私は連休の真夏日のような時期、着付けにうるさいおばさんたちには怒られるかもしれませんが昔父方の祖母は着物のファッションリーダーのような立場にいたの・・・。
生きていたら160歳超えです。○○小町だった祖母を祖夫が見初めてお嫁さんにしました。美術帯のコレクターでもあったようですが、いろいろ知恵をもらい受け継いでいます。戦後没落しましたがかなり大きな地主だった様です。』
「曖昧がいい」が着物のコツのだとわかりました。
鈴木: 「今日の私の襦袢はクールビズ。衿は塩瀬…(夏は絽の衿)残暑にもこの手を使います。足が痛むので足さばきが良いことが一番です。
祖母はあいまいで良いというのが掟でした。暦よりそのひのお天道様の様子を見て決める」と躾てくれました。Mさん:「まあ『おばあさまは、あいまいで良いというのが掟だとは』さすが、先生のお祖母様ですね。日本も私の子供の頃より、随分気温が高くなり、着物の着方も、気候に合わせていかないと、着る人もいなくなってしまいますね。2月に、巣鴨に行った折、お着物を着た方は、たった一人だけでした。意外でした。私のイメージでは、巣鴨は、サザエさんのオフネさんのようなご婦人ばかりいるのかと。」